COLUMN 相場は上がるか下がるかの

二択なのに、負ける人が多い

のはなぜですか?

※このコラムは長文です。

女性の相談者
相場って、最終的には上がるか下がるかの二択じゃないですか。
スタッフ
そうですね。
女性の相談者
ってことは、勝率50%ってことでしょ?
スタッフ
確率の観点からは、そう言えると思います。
女性の相談者
なのに、トータルでは負ける人のほうが多い気がするんですけど…。
女性の相談者
それって、なんでですか?
スタッフ
よくたずねられる質問ですね。
とはいえ、私も正解を持ち合わせてはおりません…。
スタッフ
なので、ここでは、あくまでも要因の一つとして考えられているものをお伝えしようと思います。
女性の相談者
それでいいですよ。
スタッフ
プロスペクト理論によると、多くの人は「経済的な効果について、合理的な判断をすることがむずかしい」らしいのです。
女性の相談者
プロスペクト理論?
合理的な判断ができない?
そんなことないでしょ。
スタッフ
本質的にむずかしいらしいのです。
以下の例をご覧ください。
お得感が大きいのはどっち?4000円のてぶくろが2000円or20万円のテレビが19万8千円
↓↓↓広告の例↓↓↓

お得感が大きいのはどっち?広告の例 定価4000円が半額or定価20万円が1%引き
女性の相談者
お得感はAでしょ。
割引額が同じ2000円ってのはわかるけど。
スタッフ
ですよね。
Aは50%オフですが、Bはわずか1%。そのため、経済効果は同じ2000円でも、Aのほうはお得感があると思えてしまう。
スタッフ
しかし、それ↑は合理的ではありません
女性の相談者
Aなら「これ、もともと4000円のヤツを2000円で買ったんだよ」とか、周囲に報告しちゃうかもだけど、Bはね…。
スタッフ
わかります。
同じ2000円なのに、Bのほうは「たった1%か。もっと下げてほしい」なんて考えてしまいませんか?
女性の相談者
たしかに…。思いますね。
ところで、20万円のテレビって、どんだけデカいんですか(笑)。60インチくらいじゃないですか?
スタッフ
「20万円くらいするモノって何だろう?」と考えたとき、ほかに思い付くものがなくてですね…。
女性の相談者
まあ、それはいいか。
で、これが何なんです?
スタッフ
はい。ここでお伝えしたいのは、経済効果はどちらも同じ2000円なのに、人は割引率の高いほうをお得と感じてしまう、ということです。
女性の相談者
それはよくわかりました。
スタッフ
プロスペクト理論では、これを「感応度逓減性(ていげんせい)」と呼び、“利益・損失ともに、金額が大きくなるほど感覚が鈍る”とされています。
女性の相談者
感覚が鈍る?
金額が大きくなるほど?
どういうことですか?
スタッフ
たとえば、そうですね…。
では、まずは金額が小さな例から。
スタッフ
私は、スーパーで、普段は120円ほどのアボカドが150円に値上がりしていると「高いから今日はやめよう」と見送ったり、ほかのスーパーで探したりします。
女性の相談者
あ、なんかわかります。
「高っ!」って思いますよね。
たった30円だけど、パーセントだと25%の値上がりですね。
スタッフ
はい。そんな私が、ちょっと高いレストランなどで、800円くらいするブラッドオレンジジュースを簡単に何度か頼んだりする
スタッフ
デパートなどで買って、家で飲めば安いのに、です。
女性の相談者
うわ…。
セコいこと考えますね。
スタッフ
…30円を拾って、800円を捨てる。経済効果の観点からは、私の振る舞いは合理性を欠いた行動である、ということです。
※人間社会における「そのほかの価値観を考慮しない」前提で解説しています。
女性の相談者
なるほど。高いレストランだから、トータルのお会計で考えれば、800円なんて大した割合を占めない、ってことか…。
スタッフ
そのとおりです。これが「金額が大きくなるほど感覚が鈍る」一例だと思います。
女性の相談者
そういえば、私の夫もこないだクルマ買ったとき、衝動で10万円のエアロパーツ、付けちゃってましたね。
女性の相談者
普段だったら、10万円使うときはもっと慎重になる人なのに、クルマの金額が大きかったから、感覚が鈍ったってことかな。
スタッフ
ありますよね。
上述のテレビの例も、20万円に対して2000円だから、お得だと感じない、つまり「金額が大きくなって、感覚が鈍る」のだと思います。
女性の相談者
アボカドの例はたった30円だけど、金額が小さくて、かつ値上がりのパーセントが大きめだから「高い」と感じたってことか。
女性の相談者
なるほど。
たしかに合理的ではないですね。
スタッフ
はい。まとめますと、
人は、金額そのものではなく、金額が変化する割合によって、満足度や許容度が変化する”
スタッフ
プロスペクト理論では、そう述べています。
女性の相談者
そういえば、こないだテレビを観てたとき、
女性の相談者
1泊100万円を超えるスイートルームが紹介された後、同じホテルで7~8万円くらいの部屋もありますって観て、瞬間「安い」と感じたけど、冷静に考えたら、決して安くないですよね。
スタッフ
はい。それも、変化する割合が大きかったために許容度が変化した、つまり安く感じた例だと思います。
女性の相談者
頷(うなず)けるところがありますね。
で、これがFXにも影響してくるってこと?
スタッフ
はい。たとえば、損失が大きくなってくると、そこからさらに3~4万円損失が増えてもあまり気にならない、とか…。
女性の相談者
あ、それ、わかります。
スタッフ
すべての人に当てはまるワケではありませんが、影響はあると思います。
女性の相談者
なるほどね。
スタッフ
ですが、プロスペクト理論の話は、まだ続きがありまして…。
女性の相談者
あ、そうでしたか。
どんなお話ですか?
スタッフ
はい。続いて、プロスペクト理論の「損失回避性」について、お話ししようと思います。
女性の相談者
そんしつかいひせい…。
スタッフ
人は、同じ金額でも、利益と損失では「損失」のほうが強く印象に残り、損失そのものを回避しようとする、という理論です。
女性の相談者
むむ…。
なんとなくわかる気がしますね。
スタッフ
では、以下の質問について、考えてみていただけますか?
何もせずに100万円をもらうか、コイン投げで200万円か0円か
女性の相談者
これはAでしょ。
ノーリスクで100万円をもらいたいです。
スタッフ
私もAです。
どちらが正解というものではないのですが、実験でもAが多数派とのことです。
女性の相談者
でしょうね。
「もらえるものを、みすみすもらい損ねたくない」という気持ちが働くので、Bは選ばないです。
スタッフ
もらい損ねる、のも損失の一種ですから、やはり損失を回避したいという気持ちが根底にあるのだと思います。
女性の相談者
なるほどね。
スタッフ
では、次の質問はいかがでしょうか?
先ほどと違って、とある前提がなされています。
200万円の借金がある中で、何もせずに100万円をもらうか、コイン投げで200万円か0円か
女性の相談者
おお…。
さっきと違って、これはちょっと悩む質問ですね。
スタッフ
そうですね。
200万円の借金を本当に抱えている気持ちになって、考えてみていただきたいです。
女性の相談者
んんー、ここはBで行きます。
女性の相談者
50%の確率で借金がチャラになるチャンス、ですもんね。
スタッフ
はい。さらに「ハズレたとしても現状維持」という覚悟の決め方ができます。
そのせいか、実験でもBが多数派になるようです。
女性の相談者
あ、何が言いたいのかわかりました。
私、合理的な判断ができてないってことですよね?
スタッフ
ちょっと違います
女性の相談者
違うの!?
スタッフ
それもあるのですが、ここでお伝えしたいのは、
スタッフ
人は、同じ経済効果(=同じ金額)を提示されても、状況によって異なる選択をする、ということです。
女性の相談者
思いっきり異なる選択をしたんですね、私は…。
スタッフ
それが普通です。
実験における多数派なのですから。
女性の相談者
でも、経済効果を念頭に置いていれば、どちらもA、あるいはどちらもBって答えたはずですよね。
スタッフ
おっしゃるとおりです。
しかし、くり返しになりますが、それができる人は少ないということです。
女性の相談者
この傾向は、FXに大きく関わってきそうですね。
スタッフ
はい。FXでは、以下の2つの取引例が、プロスペクト理論の「損失回避性」に近しいものかと思います。
FX取引・利益の例
同じ10万円の経済効果が
生まれた場面でも…?

FX取引・損失の例その1
女性の相談者
これ、めっちゃ気持ちわかります…。
スタッフ
利益か損失かで、相場観どおりに決断できない例ですね。
女性の相談者
「下がりそうだ」と思っても、利益のときはあっさり決済できるけど、損失のときは、ねえ…。
スタッフ
そうですね。
しかし、決済しないまま、もしレートが下がってしまうと、以下のようになります。
FX取引・損失の例その2
女性の相談者
むむー。。
人は「損失そのものを回避しようとする」。
とても納得できました。
スタッフ
エラそうに解説していますが、言うは易しで、私自身も割り切った決断ができるワケではありません…。
女性の相談者
でもこれ、どうすればいいんですか?
FXにおいて、こういう傾向から抜け出す訓練っていうか、アドバイスとかないですか?
スタッフ
非常にむずかしいのですが、預託証拠金ではなく「有効証拠金がどうなるか」を常に考える癖が付けば、合理的な取引に近づけると思います。
女性の相談者
それがむずかしいんですよね…。
でも、まあ、そういうことか。
プロスペクト理論、勉強になりました。

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